
水分というのは、血液やリンパ液として体内を巡っているのですが、このめぐりが悪くなると、水分が皮下組織にたまってしまい「むくみ」となります。
「むくみ」は、体内にある余分な水分が排出されないために起ります。主な原因として挙げられるのは、水分や塩分の摂りすぎ、冷え性などによる新陳代謝の低下、ホルモンバランスの乱れ、お酒の飲み過ぎなどがあります。
血液の循環が悪くても、利尿作用が滞ってもむくみやすくなります。利尿作用とは、尿の排出を促進する作用のことで、体内にたまった老廃物である尿を体の外に出すことです。
この作用が促進されれば、「むくみ」も解消するのですね。今回は、利尿作用によって「むくみ」に効果があるハーブティを紹介しましょう。
1.カリウムが利尿作用を促進してむくみを取るダンデライオン!
ダンデライオンは西洋タンポポ。私達の身近で見かける道端に咲いているあのタンポポの花のことです。
西洋タンポポは、ヨーロッパ原産の帰化植物で、在来種のタンポポとの雑種も多く見られます。キク科で使用部位としては 根と葉を使います。タンポポの根や葉を細かく刻んで乾燥させたものを使ったお茶がダンデライオンティ。
主に葉の方は栄養が高く、ミネラルだけでもカルシウム・鉄・カリウム、ビタミン類では、ビタミンB2・ビタミンCなどと豊富です。特に鉄分とカリウムが豊富ですから、貧血と利尿に効能があります。
原産地であるヨーロッパでは、古くから食用としてサラダやハーブティとして活用してきました。
♦貧血予防と重ねて女性の味方のハーブティ
カリウムは、水分滞留してしまう「むくみ」に効果があります。ダンデライオンティの利尿作用の特徴は他の利尿剤と異なり、体内のカリウムを減らすことなく利尿効果を得ることができるということです。
そのようにして腎臓の活性化や、むくみ予防に効果を上げています。むくみは、冷えにもつながっていきますので、水分余剰状態による冷えの改善にも役立っているというわけです。
ダンデライオンティは、鉄分も多く、ビタミンCも含まれていますので、貧血を防ぐ役割もあります。カリウムによるデトックス作用もあるので、肝臓強化の役割もあり、高血圧予防、それによる悪玉コレステロールの抑制による血液サラサラ効果、高血圧予防効果などを考えれば、女性にとって有用なハーブティと言えるでしょう。
しかも、繁殖力が強い西洋タンポポは、環境的に困ってしまう程、道端に生えていますので、その気になれば簡単に採取もできるでしょう。
葉はサラダや油炒めなどとして調理することができますし、とても身近なハーブといえるでしょう。もちろん、ハーブティとしても飲めるのです。
タンポポティは、軽い飲み心地です。苦味も若干はあるので、苦手な方は、はちみつなどを入れて飲んでもいいでしょう。
飲み方は、小さじ1にお湯に入れ5分煮出し5分蒸らします。
2.賢臓の機能を高める作用がむくみや水太りを予防するジュニパーベリーティ
ジュニパーベリーとはヒノキ科。和名で「セイヨウネズ」と呼ばれています。ヨーロッパ原産の高木の針葉樹、ジュニパーの実を乾燥させたものをジュニパーベリーと呼んでいます。
現代では、ジュニパーベリーはハーブティ、ジンの香り付け、料理のスパイス、エッセンシャルオイルなどの多様な用途で用いられています。その森林のような香りはリラックス効果があると言われ、その爽やかな森の香りのアロマオイルは、男性に人気だとか…。主成分はビタミン類、フラボノイド、タンニンなど…。
♦利尿効果の高さから、泌尿器系の感染症対策にも使われている!
ジュニパーベリーティは、体にたまった老廃物を排出するデトックス効果や利尿作用に優れ、ヨーロッパでは、泌尿器系の感染症などの改善にジュニパーベリーが利用されています。
利尿効果としては、排尿を促進してくれて、賢臓の機能を高めてくれる作用がありますので、むくみ予防に効能があります。ジュニパーベリーティは老廃物を体の外に排泄してくれる働きもあるので、むくみの解消と解毒作用を同時に得られます。
フラボノイドの抗菌作用が、泌尿器系の感染症にも及び、ヨーロッパでは利尿効果の高さから、泌尿器系の感染症などの対策として、ジュニパーベリーティが利用されているとのこと。
その他に、タンニンの制汗作用や収斂作用で皮脂の分泌を抑える効果もあり、それがニキビ予防などにも活用されています。
利尿作用でむくみは取れて、タンニン、フラボノイドの抗活性酸素の効能で、肌トラブルも解消され美肌も得られるとなれば、女性には有用なハーブティとも言えるでしょう。
森林のようなウッディーな香り。味は、かすかに甘いまろやかな味のジュニパーベリーティ。飲み方は、ジュニパーベリーの実を10~15粒(大きいスプーン一杯半ほど取り、実をつぶし熱湯を注ぎます。フタをして5~7分ほど待ったら出来上がり。
一般的にジュニパーベリーティは、シングルで愛飲するよりも、ブレンドにした方が飲みやすいかもしれません。レモングラス、ラベンダーなどが合うでしょう。
3.水分バランスを保ちつつ利尿するリンデンウッド
リンデンは、ヨーロッパ原産のシナノキ科の落葉高木。菩提樹とも呼ばれヨーロッパでは街路樹として植えられています。原産地のヨーロッパでは「千の用途をもつ木」と言われ、あらゆる部位が利用できるハーブです。
花と苞(ほう)の部分を乾燥させたものは「リンデンフラワー」と呼び、木部の方は「リンデンウッド」と呼び、それぞれ効能も異なります。リンデンウッドの方は利尿作用、コレステロール減少などに効果があると言われています。
リンデンウッドは、ウッドと言われるように、木の樹皮と白木の部分をハーブティとして飲みます。
♦デトックス効果で、むくみやセルライトを軽減!
リンデンウッドティは、腎臓の働きが良くし利尿作用によって老廃物を体内に排出する力があるので、身体を浄化できると言われています。
フランスでは、デトックスとして生活習慣のなかに取り込んで、リンデンウッドティのデトックス作用を活用しているようなのですが、この結果、むくみやセルライトといったものを軽減できれば、美容的にも有用なのではないでしょうか。
リンネンウッドの利尿作用は、水分バランスを保ちつつ利尿するため、一般の利尿剤と異なり身体に優しい利尿剤であるというのもメディカルハーブとして信頼されている由縁でしょう。
味も「木」の香りという感じで、苦くもなく飲めます。リンデンウッドの煎じ方としては、リンデンウッドティ大さじ4杯を、水1リットルに入れ10分間煎じ火を止めて更に10分間そのままおきます。これをこして、何回かに分けて飲みます。
まとめ
いかがでしょうか。
- カリウムが、利尿作用を促進してむくみを取る「ダンデライオンティ」
- 賢臓の機能を高める作用が、むくみを予防する「ジュニパーベリーティ」
- 水分バランスを保ちつつ、利尿するのがメリットの「リンデンウッドティ」
以上、利尿作用でむくみを解消するハーブティを紹介しました。
ハーブティは、一般の利尿剤と異なり自然な利尿効果を上げてくれます。あなたに合ったハーブティを選んでくださいね。